上海を出ずに世界の宝物を堪能！長寧区に新しい「博物館」オープン

 中国初の混合現実技術を活用した文物型バーチャル博物館として、「地球文明博物館」が近日、兆豊広場でオープンしました。上海を出ることなく世界中のコレクションや貴重な宝物を楽しめる「窓口」として、多くの市民や観光客に門戸を開いています。

 地球文明博物館は、長寧区の企業である上海艾洛沃尔数字科技有限会社（以下「艾洛インタラクティブ」と略称）によって設立され、「帰途」をテーマとしています。博物館は兆豊広場の1階に位置し、空間はシンプルで広々としており、漢代の画像磚など中国の貴重な文物を展示しています。市民は自由に見学でき、歴史の息吹も感じられます。館内には特別に映写ホールも設けられ、文物の守護者や歴史的文化財、個人コレクターに関するドキュメンタリーやショートビデオを上映するとともに、定期的に文物保護に関する知識普及活動も行われています。

 最も特徴的なのは、来館者が専用のヘッドマウントディスプレイを装着することで、東西の彫刻芸術の頂点を間近で「鑑賞」し、デジタルツイン化された国宝級文物を「味わう」ことができる点です。「機器内のデジタル展示品は、高精度スキャンによってデジタルツインとして再構築され、MR（混合現実）技術を用いて視覚的に提示されます。VR（仮想現実）とは全く異なります」と、艾洛インタラクティブの創設者石楽欧氏は説明しました。MRはデジタルコンテンツを現実空間と自然に融合させる技術であり、固定式のVR映像と比べて、デジタル展示品が館内環境とほとんど区別がつかないほど自然に溶け込み、より没入感が高くリアルな観賞体験を提供しています。

 「寧寧」が実際に体験してみると、確かにその通りであることが分かりました。機器を装着すると、「人類文明漫遊旅程」の“入口”が目の前に鮮やかに現れます。「デジタルカーソル」に従って進むと、まずデジタルアーティスト「土豆人」による非物質文化遺産シリーズのAIGC作品が目に入ります。非遺技術がデジタルアートを通じて再構築され、未来感と東洋美学の融合が表現されています。更に進むと広々とした電子宮殿が広がり、ダヴィデ像やヴィーナス像など西洋のクラシック彫刻が集まっています。彫刻に近づきインタラクティブボタンを押すと、名作の詳細な解説も聞けます。

 歩みを進めると、「山西晋城玉皇廟」に“到着”します。二十八宿をかたどった彩色彫刻は精巧で、思わず息をのむほどです。デジタル技術によって“生き返った”彫刻たちは、囁くように「誰か来たよ」と声をかけ、思わず微笑んでしまいます。古風な木の扉を「押し開け」、山西鉄仏寺の中に入ると、厳かで荘厳な諸天神仏と向き合うことができます。「天下に冠たる、隠れた至宝」と称されるその圧倒的な美しさに、誰もが感嘆せざるを得ません……。旅程には多くのインタラクティブな仕掛けが設けられており、その中でも「仏首の故郷への帰還」という感動的な瞬間は特に印象的で、まるで時空を超えた再会を果たしたかのような体験が味わえます。

 取材によると、艾洛インタラクティブはMR技術を軸に深い研究とコンテンツ創造を継続的に行っており、地球文明博物館は同社が長年培った商業展開のデジタル実験場であるとともに、全力で構築しているデジタルツイン文物IPでもあります。同社チームは長年にわたり、「目に見えるデジタル複製」から「触れられる没入型ストーリーテリング」への変換を目指しており、時間と空間の境界を超えて文物を“生き返らせ”、来館者が最先端技術による視覚の饗宴を体感し、世界文明の華麗さを目撃し、人類文明の意義について考える機会も貰えます。

 「私たちは今年、長寧区に拠点を構えた新しい企業で、関係部門や華陽路街道から大きな支援を受け、まさに心のこもった『丁寧に世話をしてくれる給仕』のようなサービスを実感しました。これまで、地球文明博物館の技術蓄積や最適化、デジタル資産の収集を進めてきましたが、最終的にオープンした兆豊広場は区から推薦を受け、私たちの立地要望に非常に適していました。開館から一週間で、館内には多くの自然来館者が訪れています」と、石楽欧氏は述べています。地球文明博物館が有する技術は、文物のデジタル活性化、都市の文化観光の創出、ブランドの革新的マーケティング、中国文化の海外発信など、多様な場面で無限の可能性を持ち、「進化し続ける」特性を備えています。「商業的な試みを行うと同時に、より多くの企業や博物館と協力し、多元的な分野で力を合わせていきたいと考えています。今後、地球文明博物館はコンテンツを絶えず更新し、世界級の宝物をさらに『活性化』させ、技術を通じて文明継承の新たな『帰途』を切り開いていきます。」

  地球文明博物館

  時間: 即日〜2026年3月、10:00〜21:00（毎日開館）

  場所: 長寧路999号 兆豊広場 1階

  交通アクセス: 地下鉄2・3・4号線 中山公園駅9・10番出口

  お問い合わせ: 13761907665

  チケット: 48元〜