4月3日の夜、「アコーディオン薈聚」そよ風テラスコンサートが上海薈聚で開催された。中外のアコーディオン名家が長寧に集結し、観客にロマンチックで癒しのアコーディオンコンサートを届けた。暮れが濃くなり、そよ風が軽く吹き、音楽と春の夜が織りなす中、来場した観客は皆、この独特な芸術体験に浸った。

夜7時、夜が訪れ、上海薈聚のそよ風テラスは柔らかな光に包まれ、都市の上に浮かぶ音楽の島のようである。観客たちはテラスの階段に座ったり、手すりに寄りかかったりしながら、春の夜風を感じつつ、コンサートの開始を待っていた。司会者の熱いオープニングに、会場の雰囲気が一気に盛り上がった。

コンサートのラインナップは「豪華」と言える。2024年に第77回ワールドアコーディオン選手権大会のポピュラーミュージック部門で優勝したロシアの若手演奏家ニキータ・クズネツォフが最初に登場し、『ソビエト歌曲メドレー』でオープニングを飾り、その後『陽光』と『歌う雄鶏』も披露した。「アコーディオンの音はとても感染力があり、特にこのような露天の空間では、音楽と空気が一体になったように感じます。」市民の張さんは音楽を聴きながら、感慨深く語った。彼と妻は仕事の後にわざわざ来て、この貴重な春の夜を楽しんだ。

次に、中国の若手演奏家、孫婧怡と胡昊のデュオが登場した。彼らはジャズ風味たっぷりの「秋葉」とタンゴ風情の「リベルタンゴ」を演奏した。二人の息の合った連携で音楽は活気と張りに満ち、会場は絶え間ない拍手に包まれた。「以前は知らなかったが、アコーディオンでジャズスタイルの曲を演奏するのはこんなに素敵で、音楽のリズムに合わせて踊りたくなりました。」観客の李さんは、もともと通りかかっただけで、音楽に引き寄せられて入ってきたが、この公演に深く感動したと述べた。

その後、パラディオ二重奏グループは観客に「パラディオ」「小白驢」「ブルガリア組曲」を披露した。2024年イタリア・カステルフィダルド国際アコーディオンコンクールの優勝コンビとして、彼らの演奏は繊細で層が厚く、アコーディオンの室内楽分野における無限の可能性を示した。

前半は伝統的なアコーディオンのノスタルジックな旅なら、後半はデジタル技術と音楽の衝突である。イタリアの演奏家ピエロ・アダラーニャは電子アコーディオンのソロ演奏を披露した。彼の「シチリア民謡変奏曲」「クロードに捧げるタンゴ」「スズメ」は電子アコーディオンの無限の可能性を示した。  「電子アコーディオンの音響効果はとても衝撃的で、特に多層的な音色の重ね合わせは、まるで電子音楽ライブを聴いているような感覚です。」観客席で、若い音楽ファンが思わず感嘆した。ピエロの演奏は技術の展示だけでなく、視覚と聴覚の饗宴でもある。彼の音楽は地域と文化を超え、イタリアの民謡、フランスのタンゴ、南米の情熱を一つに融合し、観客に音楽の中で世界の多様性を感じさせた。

最後の一曲が終わり、多くの観客は名残惜しそうだった。「このコンサートは聴覚の楽しみだけでなく、心の癒しの旅でもあります。普段仕事が忙しすぎて、こんなに静かに音楽を感じる機会はなかなかありません。今日の公演はアコーディオンに対する認識を改めさせ、春の素晴らしさも感じさせましたた。」張さんは感慨深げに言った。別の観客である田さんは「この野外コンサートは本当に特別で、音楽、そよ風、ライト、すべてがちょうどよかったです。今後もこのような活動がもっとあるといいと思います。」

今回の「アコーディオン集い」そよ風テラスコンサートは、2025年「上海の春」国際アコーディオン文化芸術週間の序章とされる。今後数日間、長寧ではまだ多くの素晴らしいイベントが続々と開催される。