10月9日、2026年春夏MODE上海アパレル・ファッション展示会が、長寧区の商業ランドマークである虹橋ユナイテッドビルで開幕しました。会場には30ヶ国と地域から約250の成熟した商業ブランドと先鋭的なデザイナーブランドが集結してきました。果たして今回はどのような新しい見どころや注目のポイントがあるのでしょうか？

MODE上海アパレル・ファッション展示会（以下「MODE展」）は、上海ファッションウィークが構築する「アジア最大の受注シーズンの中核プラットフォーム」として位置づけられ、常に産業の革新とグローバルな協同の推進に尽力しています。今回のMODE展のテーマは「新たな領域、繁栄の誕生（新域繁生）」であり、展示会全体の規模はさらに拡大し、総面積は1万7,000平方メートルに達しました。展示・商談・インスピレーションの交流を一体化した効率的なエコシステム型プラットフォームが構築されています。

今回の展示会に出展するデザイナーブランドは、美的表現と革新的な実践において豊かな多様性を備えています。その中には、東洋美学や無形文化遺産の技法を現代的に再解釈する試み、構造の分解やアイデンティティの物語をめぐる先鋭的な探求、そしてテクノロジー機能やサステナブルな理念を通じてファッションの多様な可能性を示す取り組みなどが含まれています。多くの著名なショールームが一堂に集まり、プラットフォームのリソースを集約することで、国内ブランドは国際的な資源とつながる機会を得る一方、海外ブランドもローカライズの支援を受けることができました。これにより、グローバル化とローカル化の双方からの双方向的なエンパワーメントが実現しています。

虹橋ユナイテッドビルに足を踏み入れると、国内外のバイヤーたちが次々と訪れ、各ブースは多くの来場者で賑わっていました。今回初めて出展した上海発のローカルブランド「Vexora」は、シルクやアセテートといった素材に、レース、メタル、レザーを組み合わせた70点以上の新作を披露しました。異なる素材が衝突しながらも調和する独自の世界観を表現しています。「これほど多くのプロフェッショナルなバイヤーにお越しいただけるとは思っていませんでした。大きな自信につながりました」と、Vexoraの創業者・劉均恒氏は語りました。創業間もないブランドながら出展の機会を得られたことを光栄に思うとし、今季の新作は“デザインを生活の中へ”という初志を引き継ぎ、「反逆的エレガンス」というブランドの個性を体現。自立した女性が本当の自分を見つけ、勇敢に自己表現することを提案しています。

MODE展では、海外ブランドの出展比率が全体の半数を超えており、その中の一つが純粋なイタリアの血統を持つ個性派ファッションブランド「Contr’Ora」です。同ブランドは、2人のデザイナーが協働して創作を行い、異なるスタイルや色彩を通して革新と伝統のバランスを追求し、着る人の創造性や感情、心の状態を表現しています。「私たちは中国市場を非常に重視しています。今回が2回目の出展です。新コレクションは主に若者や働く女性をターゲットとしており、黄色、デニムブルー、ライトブルーといった“ドーパミンカラー”を採用しています。天然素材を使って色彩の張りとディテールの繊細さを際立たせ、実用性とファッション性を兼ね備えたデザインに仕上げています」とブランド担当者は紹介しました。

MODE展のサステナビリティにフォーカスした「有料スペース」は、来場者必見のエリアです。今回の展示会でも世界のサステナブル先駆者たちが再び集結し、バイオベース素材、デジタルファッション、伝統工芸のリサイクルという三つの軸を中心に、テクノロジー・自然・人文を貫く「グリーンフェスティバル」が展開されています。

その中で、利夫生物が開発した全生物由来ポリマー素材「BioFleax™」が初お披露目され、大きな注目を集めました。「私たちは、稲わらやトウモロコシの芯、リサイクル布地などの再生可能資源を、専門技術によって持続可能な繊維に変換しています。この素材は吸湿速乾、天然の抗菌効果、エコな日焼け防止などの特性を備え、着心地も快適です」と企業の担当者は語りました。「持続可能なファッションを素材の段階から創造する」ことは、すでに業界のトレンドとなっており、無限の可能性を秘めています。

MODE展の開幕初日、M SPACEのオープニングフォーラムも同時にスタートしました。中国のファッションブランドやブランドオーナーたちは、「長期主義」をテーマに、文化的蓄積を通じてブランドのレジリエンスを高め、ブランドを国内からグローバルへ展開する方法を共有し、高品質な成長への示唆を提供しました。展示会期間中、出展企業や関連機関は、ブランドの海外展開、実店舗小売、香りを活かしたファッション、サステナブル認証など、多岐にわたるテーマで議論を展開する予定です。

上海で唯一の「ファッション消費街区集積地」として、長寧区のファッション・クリエイティブ産業は急速に発展しています。ブランド経済の効果を強化し、ファッション産業と消費との深い連携を促進することでブランドイベントを通じて産業の成長を後押ししています。このため、MODE展も長寧区で複数回開催されることとなりました。

近年、MODE展は「アジア最大の受注シーズン」としてのプラットフォーム機能をさらに深化させ、精度の高いバイヤーサービスと多様なブランド構成を通じて、新シーズンのファッションビジネス価値を一挙に開花させています。この先に待つ更なる魅力を体感するために、ぜひ会場を訪れ、次なるファッションの「花咲く地」をともに探しに行ってみてはいかがでしょうか。